【NHKスペシャル】ニッポンの生きる道

元旦の番組を見逃してしまったので、NHKオンデマンドにて視聴しました。
NHKもこんな番組を作るんだ〜、とビックリ。非常に良い番組でした。
こういう番組が増えるなら、テレビを買っても良いかな、と。。。

日本の現状を直視しながら、強みを活かして元気になっていくにはどうしたら良いか?
ということを真剣に、建設的に議論されていました。
私自身も、世界に出て、活躍していきたい!日本をもっと良くしていきたい!
という気持ちになりました。NHKに感謝。

【参加者】(敬称略)
根岸栄一  ノーベル化学賞
坂根正弘  コマツ社長
藻谷浩介  日本政策投資銀行
真田幸光  愛知淑徳大学教授
米倉誠一郎 一ツ橋大学教授

【概要】
世の中では不景気だ、と叫ばれているが、「不景気」という言葉は人を思考停止に陥らせている。
日本の元気がなくなっている本質的な原因は「不景気」ではなく、人口動態変化による構造的な問題。
部材メーカーは高シェアを誇っており、中小企業では独自の技術・製品を活かして高価で販売している企業もある。
日本の技術自体がダメになってしまっているわけではない。
従来の「安くていいものを売る」という発想は人口が増加する社会では成り立つが今の日本にはマッチしない。
日本企業は安いものを作って中国・韓国などと競争する必要はなく、高いものを作るという選択肢があり、またそれだけの力がある。
また、技術やモノだけでは売れず解決策としてトータルで売り込むことが必須になる。
このように、認識を変えるだけでニッポンは大きな可能性を秘めていることが分かる。
国や制度にも問題はあるが、最も重要なことは一人一人が当事者意識を持ち行動していくことである。


【具体事例】
元気で将来有望な日本の企業・技術がたくさん紹介されていました。
・青森で作るリンゴ「大紅栄」。中国の富裕層に一個2000円で飛ぶように売れている。
リンゴの育成方法にノウハウ×豊かな土壌により独自のリンゴを作れるようになった。
・シリコンを使って高強度の素材を作る「イスマンジェイ社」。
大手鉄鋼メーカーには相手にされなかったが、自社で4年をかけて技術を完成させた。
これからの展開に期待。
・ロボット工学。生産人口が減る国が発展するにはロボット工学が必須。
高齢者介護など医療への応用も期待される。
・新幹線は、機体だけでなく正確で安定したシステムが素晴らしい。世界に売れる。
・海水に溶け込んだウランを取りだす技術。黒潮で日本の原発500年分に相当するウランが流入しており、
この技術が完成すればエネルギー問題の解決へ一気に進む。
・人工光合成光触媒。根岸先生のこれからのメインテーマ。


【個人的な感想】
このように、日本は世界で戦える技術を持っています。
それにも関わらず、日本に停滞感が漂っているのには様々な原因があり、それこそ色々な所で議論されています。

今回、番組を見て一番心に響いたのは「当事者意識」という言葉です。
現実を見ずに「不景気のせいだ」というのは、ある意味簡単。
国の制度が悪い・・・と批判すれば自分は被害者でいられる。
健全な批判というものは必要ですが、それだけでは前に進まない。

一人ひとりが自分のこととして捉え行動することで日本は変わっていくし、他に方法はないと思いました。
当たり前のことですが、自分自身を振り返っても、どこか傍観者的に考えるフシがありました。
番組の後半で、私と同年齢の研究者が海外の研究者とディスカッションをしながら
成長していっている姿が描かれており、自分も世界で活躍していきたい、と強く思いました。


東京大学総長の小宮山宏先生がおっしゃるように、
高齢化問題、資源・エネルギー問題、教育問題など日本が抱えている問題は、世界中がこれから直面する
問題であり、「課題」を先取りしていると言えます。
先行事例はなく、解決していくことは容易ではありませんが、
日本で成功事例を残すことが出来れば世界中に貢献することが出来ます。

難しい課題が多い、、、と嘆くのではなく、このような時代に生まれたことは素晴らしく、
自分もその課題を解決していく一人になりたい。今の時代に生まれたことは幸せだ、と考えるようになりました。

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