北欧の旅(2) ヘルシンキ


【出発】
朝4時頃に起き、5時出発の成田空港行きの高速バスに乗り込みました。
当然、寝不足。おかげでバス、飛行機でよく眠れました。

成田空港は結構な人ごみ、ゴールデンウィークよりも人が多い気がしました。
フィン・エアーに乗り込み、いざ出発です。


【1日目】ヘルシンキ市内

ヘルシンキの空港には15:00頃到着。入国審査を済ませた後、空港バスでホテルに向かいます。
空港から市街地までは約20分。16時過ぎにはホテルに到着しました。

チェックインの後、市街を散策。地図を持っていたのですが何故か迷子に・・・
あっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら、気づいたら元の所に帰ってきていました。
あまりに疲れ、食べるところを探す気力がなくなっていたので、目に付いたマクドナルドへ。
なんとかハンバーガーセットが7.5ユーロ、800円ちょっと。やはり北欧は物価が高い。

気を取り直して、市内の全貌を把握するため、市内を一周しているトラムに乗車(3B)。
1時間ほどで一周するので、地図を片手にチェック。何となくヘルシンンキ市内の地図が頭に入りました。


ヘルシンキは小さな街、人口は約50万人。愛媛の松山市、栃木の宇都宮市と同規模です。
海に囲まれ、近くには森、街の中には緑あふれる公園が数多く点在し、自然と調和した街、という印象です。


迷子になって歩き回り疲弊したので、21時頃にはホテルに帰還しました。

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【2日目】 ヘルシンンキ市内、スメオンリンナ島、セウラサーリ野外博物館

朝はゆっくり目で9時過ぎに出発。
まずは街の中心部を目指し、デパートや高級ブティックが立ち並ぶ「エスプラナーディ通り」へ。
通りの中央は公園になっています。
夏のヘルシンキは日が長く22〜23時頃までは明るいのですが、
お店は大概18:00には閉まってしまいます。
夜に開けても客が入らないのか、そもそも国内で売る気がないのか、、、ここは不明です。

通り沿いにアカデメイア書店という本屋さんがありました。映画「かもめ食堂」にも出てきます。
こういう雰囲気の本屋さん好きです。


エスプラナーディ通りを東に10分ほど歩くと海岸にたどり着きます。
海岸から通り一本北に行くとヘルシンキ大聖堂に行きあたります。
真っ白の壁、ドーム状の屋根、ギリシアの神殿を思わせるような柱、目の前に広がる広場、
そして完璧なシンメトリー。しばらくの間、見とれてしまいました。

いわゆる西洋カトリックの教会とは異なり、ロシア正教の影響を受けている、とのこと。

ヘルシンキ大聖堂から東に向かいウスペンスキー寺院へ。
ここもロシア正教の影響があるようです。


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海岸に戻りマーケット市場へ。
野菜、果物の他にも、ご飯、土産物を売る出店もありました。
ここでラズベリーを購入しましたが、お味はまずまず。


マーケット市場からフェリーに乗り、スメオンリンナ島に行きました。この時点で11時くらい。
ここはかつての要塞、時代によりロシアからの防衛、フランスなど欧州各国からの防衛に使われていたようです。

今でも当時の大砲や要塞の跡地を見ることが出来ますが、とっても静かでのどかな島です。
世界遺産にも登録されているようです。


スメオンリンナを一周歩いた後、島内でお昼ご飯を食べ、市街地に戻りました。
エスプラナーディ通りの西端から出ているバスにのり、「セウラサーリ野外博物館」というところに行ってきました。ヘルシンキの北西に位置し、島をまるごと一つつかって野外博物館としています。森の中に各地から集めてきた建築物(家)を配置しています。入場するだけなら無料、建築物の中に入ったり解説を聞くとお金がかかるようでした。


観光客に加え、ランニングや散歩、森林浴をしている市民の姿を多くみかけました。ここは歩いているだけで気持ちよく、ベンチに座るだけでも気分が爽やかなっていきます。近くにあったら通いたいところです。リスも見かけました。




この日はセウラサーリ博物館から市街地に戻り、夕食を食べて活動は終了。

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【3日目】 タンペレ

ヘルシンキから電車で2時間、フィンランド第二の都市タンペレに日帰り旅行をしてきました。
ここにはムーミン谷(市立図書館)があります。
タンペレ工業都市とのことですが、ヘルシンキよりもさらに静かで落ち着いた街でした。

 


噴水のある公園で、市民の真似をしてベンチで休憩。風と水の音が心地よかったです。
なんかベンチで休んでばっかり・・・


この街の市民図書館はムーミン谷と呼ばれ、ムーミンにまつわる展示をしていました。

中でも「ムーミンの家」の手作り模型はインパクトあります。作者のトーベ・ヤンソンを始め数人で製作したようですが、本当に楽しんで作っていたのだろうな、ということが伝わってきました。


ムーミン谷から徒歩5分ほどのところにあるレーニン博物館にも訪れました。
フィンランドで何故にレーニン??と思いましたが、レーニンが活躍していた当時(1900年頃)、
フィンランドはロシアの支配下にあったこと、レーニンはロシアから逃亡しておりフィンランド
何年か滞在していたこと、フィンランド独立(1917年)にレーニンが大きな貢献をしたこと、
から結構関わりは深いようでした。

展示品はロシア語とフィンランド語で良く分かりませんでしたが、
懇切丁寧な博物館お手製の解説書(日本語もバージョンもありました)を読み、
概要を理解することが出来ました。


レーニン博物館を見た後、街を散策、また2時間かけてヘルシンキへ戻りました。

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【4日目】 ヘルシンキ市内→シリヤライン

北欧というと「デザイン」が有名とのこと。フィンランドにもmamerikko、ittalaなど有名ブランドがあります。こちらの分野はあまり詳しくないのですが、ヘルシンキ市内にあるデザイン博物館に行ってきました。
ここでは、フィンランドを代表する”アラビア”ブランド(現在はittalaと合併)を中心とするフィンランドデザインの歴史、作品が展示されていました。


北欧デザインの特徴はシンプルで機能的、洗練されていること。ittalaカップやグラスを見ても、とってもシンプルです。興味深かったのは、フィンランドデザイン界の巨匠カイ・フランク氏は日本を訪れ、龍安寺の「無駄を省いた美」に衝撃を受け、彼のデザインに取り込んでいったというエピソードです。実際に、当時の作品を見ると「これは日本製の陶磁器か?」というくらい、日本の作品に似ていました。
http://media.excite.co.jp/ism/024/index.html


ここで疑問に思ったのが、何故シンプルで機能的なデザイン商品は、「北欧デザイン」として世界的にメジャーとなっており「日本デザイン」ではなかったのか?ということでした。気になって調べたところ、「無印良品(MUJI)」は、世界化を進めており、現在20カ国134店舗に展開しているようです(日本は359店舗)。海外でも黒字化しているようで、ちゃんと事業化しているようです。おみそれしました・・・
http://www.muji.net/shop/overseas/


実際ストックホルムのデパートにもMUJIが入っており、mamerikko、ittalaなどの北欧ブランドと並んだ売り場に配置されていました。お客もそれなりに入っており、人気の様子。地元ブランドより割安で質が高いことが人気の秘訣のようでした。


デザイン博物館を見た後、お昼ご飯へ。
ミーハーかなぁと思いながら、ヘルシンキの南側にある「かもめ食堂(Kahvila suomi)」に行ってきました。映画「かもめ食堂」の舞台です。ヘルシンキで食堂を開いた女性と、現地で出会う日本人、フィンランド人との出来ごとを描いた静かな映画です。この映画も北欧へ行きたいと思うようになったキッカケの一つでした。

店内のレイアウトは映画とは異なっていましたが、青と白を基調にした内装はそのまま。日本人比率が異様に高かったです。。。


かもめ食堂の後、荷物を取りにホテルへ。シリヤ・ラインの乗船場へ向かいました。

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(追記)
フィンランドは11世紀〜18世紀頃まではスウェーデン、19世紀〜20世紀初はロシアに支配されており、独立したのは1917年だそうです。東と西の大国に挟まれた小国として、激動の歴史を経ていますが、今のヘルシンキはとっても静かな街でした。


教会や料理を見てもロシアの影響を感じます。ヘルシンキ大聖堂は、「いわゆる西洋の教会」とは雰囲気が異なり丸屋根、レストランでは「ビーフストロガノフ」などロシア風料理もチラホラ目にしました。


知人に紹介して頂いたフィンランドの作曲家 シベリウスの「フィンランディア」。なぜに初音ミク??という感じですが、非常にハイクオリティ。聞くうちに引き込まれていきます。フィンランドスウェーデン、ロシアによる支配の年月と独立を勝ち取った日を想像しながら歌詞を見ると、ぐっとくるものがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=gTdrSkO1Ubo&feature=related