投資の基礎知識
貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
- 作者: 北村慶
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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今回初めて「インベストメント」と「トレーディング」の違いが分かり,投資に関する基礎知識を身に付けることが出来た.
単純な「金儲け」のために書かれているのではなく,運用のゴールを明確にし,そこを出発点としているため安心感がある.
また,それぞれの項目で背景をきちんと説明しているので納得感がある.
基本的な考え方は「世界市場の成長に追随することを狙い,なるべく変動要因を減らしていく」こと.
具体的な戦略として,以下の7つの項目が挙げられる.
①「短期投機(トレーディング)」ではなく,「長期投資(インベストメント)」を行う.
②個別銘柄の値動きで利益を上げる「α戦略」ではなく,市場全体の長期的動きに投資する「β戦略」をとる.
③複利効果と,時間分散(積み立て方式の投資)効果を最大限に活かす.
④適切なポートフォリオを組む.(どの株をいつ買うか売るかではなく,どの資産をどの程度組み入れるかで,結果の8〜9割は決まる)
⑤「持ち家派」から「賃貸派」へ変わる.(「持ち家」は精神的充足を得られるが,その対価として約1000万円の割り増し分を支払っている)
⑥国際分散投資を行う.
⑦相場に関与する興奮や投機への誘惑を断ち切る.退屈でも,長期投資を続ける.
以上の戦略が投資の王道で,過去のデータと照らし合わせても有効だと言うことがわかる.
資本主義経済が破綻しない限りは,この手法は成功していくと思う.
「一般市民が市場に参加して,プロに勝てるはずがないのでは?」と疑問に思ったが,戦略③を最大限に活かすことでプロに勝てることが分かった.
複利効果は,運用期間が長ければ長いほど顕著に現れるため一般市民,特に若い人ほど複利効果を活かすチャンスがある.
一方プロの運用者は,1年単位で成果を出すことが求められるため長期運用は難しく失敗することがある.
そのため,一般市民が長期運用の方針を貫けば,プロに勝つことが出来る.